ラミネーター選び方講座!ローラー本数比較←加工品質、スピード、価格の最大要因
- 2022.03.15
- コラム・知識
『ラミネーターってどう選べばいいの?』
『違いが分からない!』
悩みますよね?
こんにちわ。ラミネート商社歴48年の㈱稲進(いなしん)です。
店舗や運営本部で「POPは自分たちで作ろう」というお客様が年々増えています。内製化ですね。
POP制作に欠かせないのがラミネーター。
でも
「どう選んだらいいのか分からない」そもそも「ラミネーターなんてどれも同じに見えるが?」と疑問になりますよね?(筆者も業界に入る前は思ってました)
これが…意外と違うんです。
卓上型だけとっても
- 家庭向け
- ビジネスユース
- 大量加工の業務用
かなり性能差があります。
性能差を生む根本的なポイント
……何だと思いますか?
ローラーの本数です。
あっという間に答えを言っちゃいましたが。
今回は、ラミネーター選びの考え方ステップをお伝えします。
特に「ローラー本数の違いで何が変わるのか」詳しくお話していきます。
-記事の内容-
・ラミネーター選びの3つの基本
・ローラー数が多い方が高性能(高価格)
目次
ラミネーター選び3ステップ(最大要因はローラー本数)
選ぶ際にまずどこに着目するか。
ステップ1〜3を図にしました↓
第一に、ローラー本数をチェックしてください。
パッケージに本数の記載があったり、インターネットでお探しの場合は商品スペック欄に記述があるかと思います。
ローラー数の多い方が、キレイで速く、仕上がりの安定したラミネーター(その分、価格アップ)です。
第二に、ラミネートしたいもののサイズ。
カードサイズの小物を作りたいのか、A3程度のミニポスターのようなものも想定しているのか。いかがでしょうか。
第三に、付加機能。
ローラー本数が多くなるにつれ、付加価値機能が増えます。
処理スピードがアップ。細かい調節機能がつく。
あとは…ご予算ですね。
基本、ローラー数が多い方が、高スペックで価格も上がります。
※大まかな考え方となります。性能差・価格差を分ける細かい特徴は他にもあります。
3つの視点を詳しくみていきましょう。
step1)ローラー本数─なぜ重要か─ラミネーターの仕組み
この章では、第一の選定ポイント「ローラー本数」を深く理解したいお客様向けにご説明します。
ラミネーターの仕組みは
加工したい物を上下のローラーで送りながら加熱圧着しています。
ラミネーターの仕組みは
結局「ローラーが主体」と言えます。
本数は、簡易型が少なくて、2本<4本<6本の機種までが存在。(8本〜はありません。)
多くなるにつれ上位の機種になります。
ローラーにも役割分担があります。
- ①ヒートローラー上下(加熱)
- ②プルローラー上下(再圧着)
①で加熱した直後に②で再び圧着し、フィルムをより平坦にします。
…と、ここで!ローラーの本数による違いが生まれます。
【ローラー本数で生まれる違い】
「①+②の機種」と「①だけの機種」とがあります。
①だけの機種は、最低限のローラーに2つの仕事をさせることで低価格を実現。
①加熱+②再圧着と分担すればいい仕事を、①だけに負担させている、だから弱い(=お安い)んです。
6本型は、最も仕上がりが美しいタイプ。
加熱を2段階で通すことで、よりまんべんなく熱が行き渡ります。加えて3段階めの再圧着「追いならし」で波打ちを防止!ダメ押しパンチが付加されます。
ちなみに稲進の加工センターは6本型卓上ラミネーターを使っています。
※機種により、ヒート→プル→ヒート型もあります。
ローラー本数が増えるに従い、本体も大きくなっていきます。
ローラー本数別:ラミネーター機種の具体例
稲進がご提供するラミネーター機種ですと下記になります。
ローラー本数の多い/少ないによって変わること
本数で影響するポイントを表にしました。
比較項目 | ローラー【少】 | ローラー【多】 |
---|---|---|
ラミネート速度 | 遅 | 速 |
熱の伝わり | ムラになりがち | 行き渡る |
クオリティ1 | 白っぽくなりやすい | 透明度が高く仕上がる |
クオリティ2 | 波打ちやすい | 波打ちづらい |
加工できる厚さ | 薄物のみ | 厚物も可 |
本体の重さ | 軽 | 重 |
価格 | 低 | 高 |
↓お電話の場合は「ブログを見た」と
添えて頂けるとスムーズです。
step2)ラミネートしたいサイズ
ラミネートPOPの最大サイズが、A4に収まるか、あるいはそれ以上のA3大のPOPを作る予定があるかどうか。
A4機でA3のラミネートは掛けられません。
大は小を兼ねるので、余裕をみてA3機を購入することもお考えください。同機種なら当然A3機の方が少しお高くなります。
step3)付加機能の比較チェックポイント
機能面の比較ポイントは下記となります。
- ✔ウォームアップ(電源ONからスタンバイまでの)にかかる時間
- ✔ラミネート速度(機械を通過するスピード)調節の細かさ
- ✔温度調節の細かさ
- ✔加工フィルム厚のキャパの広さ
- ✔リバース機能(巻き込みそうになったフィルムを止める装置)のレベル
- ✔オートオフ機能の有無
基本的な方向として…
ローラー数が多い高価格になるにつれ、【高速】【巻込み防止機能充実】。
何より「温度・速度をその時の状況に合わせて微調整できる」という方向で優れたものになっていきます。
高価格ラミネーターの長所・短所
高価格帯の機種について長所と短所をお伝えします。
長所としてユーザーが温度や速度を微調節できることは利点です。
ただ、そのぶん経験やコツを積み上げる必要があるともいえます。(大丈夫です。慣れていけます。厚み・温度・速度のマッチングだけです。)
では、以上のチェックポイントを踏まえた上で、ここから2本/4本/6本機種の差を、機種名をあげてご説明していきますね。
[2本ローラー・ラミネーター]PIXTER SP2302、SP3202特徴
POPの数が月産数十枚レベルというライトユーザーさんへオススメ。
通称ピクスター。入門モデルでとっつきやすい子です。
名刺・プライスカード、ハガキ大〜A4までの小物POPに適しています。
操作はカンタン(=微調整はできない)
2本型:PIXTER SP2302、SP3202 | |
---|---|
ウォームアップ時間 | 5〜7分 |
ラミネート速度 | 60秒(A4) |
温度調節機能 | 2段階 |
加工可能サイズ | A4まで(SP2302)/A3まで(SP3202) |
適用フィルム厚 | 〜150μ |
リバース機能 | なし |
ヒーターオートオフ機能 | あり |
価格 | 7千円前後(A4機) 1万円前後(A3機) |
↑この機種後継の2023年モデルがAmazonからも買えます。
▽Amazon.co.jpで購入可能な稲進ブランド
ラミネーター PIXTER SP2303(A4)Amazon商品ページ
[4本ローラー・ラミネーター]CLIVIA LPD3223特徴
POP多めの個店にはこちらがオススメです。
通称クリビア。クオリティと価格とがバランスした、お手頃な子です。
項目 | 4本型:CLIVIA LPD3223 |
---|---|
ウォームアップ時間 | 5〜10分 |
ラミネート速度 | 42秒(A4) |
温度調節機能 | 4段階 |
速度調節機能 | なし |
加工可能サイズ | A3まで |
適用フィルム厚 | 〜150μ |
リバース機能 | あり |
ヒーターオートオフ機能 | あり |
価格 | 2万円前後 |
[6本ローラー・ラミネーター]LPD3226N特徴
大量のラミネート加工はおまかせ!
POPの種類も店舗数も多い企業様へはこちらがオススメ。
外見の特徴は「質実剛健!」丸みや愛想のない、いかにも業務用なデザイン。
見ため通り、はかどる!頼れる!強力ラミネーター。
厚みや原稿サイズに合わせて数値で微調整できるのが魅力。ただ、ご自身で速度・温度を管理する必要があり、コツも必要になります。(プリセット機能、メモリー機能、データ設定機能あり)
6本型:LPD3226N | |
---|---|
ウォームアップ時間 | 1〜3分 |
ラミネート・スピード | 最速9秒(A4) |
温度調節機能 | デジタルで細かい温度調節 |
速度調節機能 | デジタルで細かい速度調節 |
加工可能サイズ | A3まで |
適用フィルム厚 | 〜350μ |
リバース機能 | あり |
ヒーターオートオフ機能 | あり |
価格 | 10万円前後 |
3機種を並べてみました。
ご紹介したのはあくまで代表例。他にも様々な機種をご案内できます。
業務用大型ラミネート機、全自動ラミネート機
大判や長尺のロール式ラミネート(据え置き型)も各種とりそろえております。
全自動でコピー機感覚でラミネートしてくれる機械もあります。
さいごに:使用シーンに合ったラミネーターをご提案します
選ぶポイントが伝わりましたでしょうか。
ラミネーター選びがまだ不安なお客様は「ラミネーターを買いたい。どんなのを選んだらいいか」とお気軽にご相談ください。
↓お電話の場合は「ブログを見た」と
添えて頂けるとスムーズです。
以上、ラミネート商社歴48年を誇る㈱稲進(いなしん)がお送りしました。
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